そもそも内部留保とは

まず、新聞等で使われる内部留保という言葉は、財務省の法人企業統計には見当たらず、実際は「利益剰余金」とされています。

ちなみに、法人企業統計は、大企業から中小企業まで日本全体の企業をカバーしており、“日本株式会社”の通信簿とも言えます(ただし、海外の連結子会社は含まれません)。

そこでは、今話題の内部留保以外に、売上高、経常利益、純利益、設備投資額、付加価値額など、様々なデータを確認することができます。“日本株式会社”の生の姿を確認されたい方は、財務省のデータを参考にされることをお勧めします。

さて、利益剰余金というのは多くの方にはあまり馴染みがないかもしれません。この用語の意味を一言で述べると、「企業が蓄積してきた利益をストックとして表したもの」ということなります。

ここで言う「利益」とは、毎年の売上高から人件費(皆さんのお給料等)、減価償却費(設備投資に関連する費用)、研究開発費、原材料費、金利費用、法人税などを差し引いて最後に残ったフローの金額、つまり純利益です。この利益から株主への配当金などを支払った後の利益が毎年、内部留保として積み上げられることになります。

ただし、ここで注意が必要なのは、内部留保の金額が、そのままクレカ現金として企業に保有されてはいないということです。実際には、現預金以外に、売掛金、在庫、設備、投資有価証券などの資産となっています。つまり、内部留保400兆円超の全額をすぐに支払うことは現実的には不可能ということになります。